『スターウォーズ 最後のジェダイ』ネタバレ感想:気になったポイントを列挙してみる

感想としては、、、

ビミョーな出来でしたね。笑

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良い部分は一定以上あるけど、それ以上に悪い部分がちょこちょこ出てくるもんで、そっちが気になってストーリーに集中できない感じでした。

ストーリーなどは基本ふれませんが、ネタバレ全開で書いていきます。

ちなみにこれを書く直前にライムスター宇田丸さんのラジオ映画評を聞いたのですが、大枠としてはほぼ同じ感想でした。そこに補足する感じになるかなと思います。 

良かったところ

個別の要素では結構光るものがありました。

アダムドライバーが良かった!

前作『フォースの覚醒』では散々な言われ方だったアダムドライバーのカイロレンですけど、今作はとても良かったと思います。たとえば強みと弱みを同時に抱えているといったキャラクター深みが、ちゃんと表現されていたと思います。顔も佇まいも良いです。

ただしこれはアダムドライバー本人の他の出演作品での好演技を見ているから、そっちに印象を引っ張られている可能性もなくはないんですよねー、正直。そっちの前提知識がない人でも同じに感じるのかちょっと気になりますが。いや、たぶん演技力めちゃ上がったと思うんだよなー。

修行のステップ1は良かった!

レイが万物の間に流れるフォースを明確に掴み取るまでの過程、そして黒い洞穴の下に何があるのか吸い込まれそうになる場面。予告編でもガッツリ使われているビジュアルですが、映画本編は輪をかけて良かったですねー!

特に私はあの黒い洞穴が、何やら生理的に嫌悪感があるみたいで、映画館にいて本当に嫌な気持ちで怖かったです。や、やめてくれー!って心の中で叫んでました。こんな大衆向けの超大作で、あんな表現が出てくるとは思ってなかったので、心の準備ができていなかったのも大きいかもしれません。とにかくあのパートは良かったです。

スノークの部屋は良かった!

実際問題、あんな色づかいにするのはちょっと趣味が悪いと思いますが(笑)、スノークの部屋は良かったですね。置いてあるものはメタリックな黒い床と黒い玉座だけ。あとは鮮烈に真っ赤な無地の壁紙だけがガッツリ覆っていて、その前に立ってる衛兵たちは全員完全な赤ずくめ。

赤と黒の2色のみでバーンッと絵がバッキバキに決まってて、超かっこいい!なのに予告編にはなかった気がします。素晴らしい判断。最初に出てきたときはめちゃショックでした。惜しむべくは白い字幕がとにかく邪魔だったことです。あれは本当に絵を台無しにしていました。

 

塩湖の色合いは良かった!

スキースピーダーが走り去った跡、白地に真っ赤なコントラストが作られるのがクールでした。でも一番の白眉は、やはりルークを一刀両断した直後のカイロレンの足がずざざーって真っ赤に残る場面でしょうね。血を直接的には描けないために取っている手法でしょうが、とても映像表現的でかっこいいと思いました。

まあ『ローグ・ワン』の地獄の黙示録バトルオンザビーチには敵わないですが。笑

 

...そのくらいかな。笑

 

悪かったところ(気になったところ)

はい。ここから悪いところです。素材はすごく良いのに、勿体ない映画ですわ、本当に。

ネタの入れ方が下手すぎる

見せたい絵があったからこうなった、だろうことは理解できます。物語の本筋には関係ないけど、画面上に広がる面白くも可笑しくもある建物や生き物の数々がスターウォーズの世界を広げてきたことはよくわかっています。しかし今回は、いくらなんでもストーリーに混ぜ込むのが下手すぎる。もっと自然に入れることはできたろうに。そこらへん『フォースの覚醒』や『ローグ・ワン』は上手かったのですが。さりげなくチラリと映るくらいで良かったのに、個々にフォーカスしすぎです。説明しようとしすぎなのかもしれません。

あの島、なんなの?

ルークが身を隠していたのは、ジェダイの最古の書物が置いてあったり、ジェダイの歴史を守る部族がいたり、地下に闇の力を発する亜空間が存在したり、なんとも謎の多い島だったにもかかわらず、出自に関する説明は一切ありませんでした。私は字幕版を1回しか見ていないので、ちゃんと英語を聞けば何か言っているかもしれませんが。こんなモヤモヤした状態では気持ちよく映画を見終われません。笑

だいたいレイア達は、そんなモニュメンタルな惑星が宇宙にはあったのに、そっちの路線で探そうとはしなかったのかしら。笑

あ、ジェダイに絶望した人が身を隠したのがジェダイ発祥の地というのはさすがに予想できないか。なんという、こうどなじょうほうせん!笑

というかそもそもジェダイの聖地は惑星ジェダにあって、それは『ローグ・ワン』で壊滅してましたよね。つながりはどうなってるの?あれ、これってもしかしてSW9部作と残りのスピンオフが別プロジェクトで並行して動いているため、きちん調整できなかったことが原因によって起きた設定の矛盾だったりしませんか?

まずそうなミルク

どうひいき目に見てもまずそうなミルク。というかあの大きい動物は何?何で座ってるの?何食べてるの?家畜なの?普通に魚食べてるだけでよかったでしょ。

崖の向こう側に飛び移る必要あったか

ないですよ。全くない。こちら側でモリを突き刺せば良いだけ。

レイについてこさせないために向こう岸に行ったならまだしも、その場で魚を捕まえて、またすぐにこちらに帰ってくるのだから全く意味がない。笑

ルークを追いかけてレイがフォースを使ってうおおおーって崖を跳び越えてくる、みたいな描写があればまたちょっと違うのですが。笑

フォースを使って海水で橋を作るとか。笑

つうかフォース使えよ

最終決戦のルークを見ていれば、フォースを使って海からザバッと魚をすくい出すのは大変簡単にできるだろうと思われます。笑

ヨーダの間抜けさ

古文書を焼き払えないルークに対して、「書を捨てよ」と文字通り雷一発を落として全焼させてしまうヨーダさんかっこええ!と思っていたが、ファルコン号の引き出しの中にはおそらくレイによって運び込まれていた古文書がちゃっかり入っていましたね。まぬけなヨーダ!笑

もしすでにレイによって持ち出されたと気づいていたなら、ルークに対して騙していることになりますが、それはそれでルークがまぬけで悲しい。ルークに見抜かれたら「ふむ、あの娘じゃな、盗んだのは」とか言うつもりだったんでしょうか。

地獄のミサワならぬ地獄のヨーダ

今回のヨーダの台詞はひどかったです。ものすごく簡単な単語しか使わず、かつ私の記憶が確かならば、全ての台詞で勿体ぶった調子の倒置法を使っていました。旧作でのヨーダはそこまで極端ではなかったと記憶してるのですが。今回は短い台詞が多かったからでしょうか。まるで「俺の全ての台詞を名言にしてやるぜ」とでも言わんばかりでした。もはや滑稽だぞ、それは。なんというか地獄のミサワ状態。笑

小さい鳥あれなに?

グッズ販売のためとしか思えない、かわいい鳥、ポーグ。あざといぞ、ディズニー。笑

チューバッカに仲間が食べられるシーンはひどかったです。ひどいというのは残酷という意味でなくて、笑いのクオリティが低いという意味です。劇場で何人か笑ってましたけど、私は全然笑えませんでした。説明不足と変なポイントが多すぎて。

あれはチューイが狩りをするシーンを入れてないからこんなことになってます。たとえばこんなシーンを挟むべきでした。昼にポーグの巣に襲いかかって、親子のうち親鳥をつかみ上げて、子供だけは可哀想だと生かしてあげる。それでその夜にかぶりつこうとしたら、その子供が近くで泣きながら見てる。どうでしょう。これで周りをなぎ払っても、あの1羽だけそばを離れなかった説明がつきます。

ただこれをやっちゃうとそのあと仲良くなれないのでそういう説明はカットして、しかも食べてる肉の形もポーグというよりは、普通に地球でクリスマスに食べるような七面鳥の形にして煙に巻いたのではないか、と私は予想しています。さらに慎重には慎重を重ねて、チューイが肉にかぶりつくシーンは結局映画本編には含まれませんでした。

もしくはポーグはとてつもないバカなのかもしれません。仲間が食われてもそれが分からないレベルの。だとしたら感情を持たせるような描写は成立しないし。どちらにせよ中途半端ですね。超おバカという設定で、ミレニアムファルコンに住み着いてしまったポーグに対して愛着を持つチューイと、それを困り顔で見ながら「俺の機体を汚しやがって。やれやれ、まあ非常食ぐらいにはなるだろ」と許してやるハンソロのやり取りが見たかったですね。

もっと早く言ってよー

いくら言うこと聞かないヤンチャボーイだからって、ポーに作戦を説明してあげないのは違うと思います。「あなた達が追跡装置を解除できなかった場合は、クルーザーを捨てて輸送船で逃げます。いいですね?」って挟めばいいじゃないですか。あるいは敵を撹乱するために、あえてフィンとポーとその他何名かの仲間には言わず、捨て駒としてフィンにスノークの船に潜入させていたなら、こんなに冷血で頭脳明晰なリーダーもいないと思いますが。笑

でも実際は、観客にハラハラさせるため、観客に「コイツ実はファーストオーダーの手先じゃね」とミスリードするためだけにやってるますよね。私はそこに引きました。

必殺ワープアタック!笑

最初から使えよ。笑

クルーザーは無理でも、燃料がなくなりそうな小さい船で叩くとかできたやろ。笑

というかワープ装置を搭載したミサイルって作れないのかしら?

ローズ。笑

別にアジア枠もぽっちゃり枠もあって良いです。

でもせめてもうちょっとカワイイ子にしても良かったでしょ。暴

思うに、現実世界であんなに容姿に差がある姉妹がいたら、スレンダーで綺麗で優秀なパイロットである姉(ついでに言うと多分モテモテ)に対して、妹は少なからぬコンプレックスを抱いて、暗い性格になると思います。現実社会でそれはよく見られることで、誰だってそのことは理解してるでしょう。その要素がないと、なかなか共感してもらえないんじゃないかな。

もしくはそういうのを克服して少々明るすぎるくらいの性格になってる、けど牢獄にぶち込まれて少し弱気になったとき、思わず「私は姉を見て強くならなきゃって決めたの」と泣きながらフィンに話す。みたいな会話は入れておいてほしかったです。あとの展開のためにも。(ついでに「俺はクローンなんだ。だから両親や兄弟はいない。まあみんな兄弟みたいなもんだけどね。あー、何が言いたいかっていうと、君とお姉さんは違う。でも君の中には確かにお姉さんと同じものが流れてて、そして今もお姉さんは君の中にいるよ」みたいなことを言えば伏線はバッチリ。笑)

いずれにせよディズニーは白人の美男美女しかいなかったスターウォーズを、21世紀の多様性のある社会に対応すべく、大革新を行っており、その一つが「ギリギリまでブサイクなガールを入れる」だったと思うのですが、内面の美しさを描くのも怠った結果、ローズはルックスだけで判断されてギリギリアウトになっちゃいましたね。エンタメはそこはシビアやで。ええか、映画は美男美女を見たい人が集まってくるもんや。ローズ役には、もう少し目力がある人を選ぶべきだったと思います。

もっと踏み込むと、あるいはキャスティングを担当した人からしたら、ぶっちゃけアジア人なんて全部同じに見えてるんじゃないでしょうか。もし担当者が白人男性で、もし私の予想が正解だったなら、会社の意向ではキャスティングで差別のない平等で多様性のある社会を演出しようとしたことで、逆に今も人々の深層心理に根深く残る人種差別をかえって浮き彫りにしてしまうという皮肉な結果になってしまいましたね。奇しくも同年に映画『ゲットアウト』という人種差別ブラックコメディの大傑作が公開されていることに因縁を感じます。

6時間で「I love you」は無いやろ。笑

複数の物語を同時進行するし、おそらくレイだけは別のタイムラインで描写されているので忘れてしまいがちですが、フィンが目を覚ましたのはクルーザーのワープ中で、直後にファーストオーダーとのカーチェイスが始まるので、フィンとローズが行動していたのはクルーザーの燃料が無くなるまでの6時間程度です。その短い時間の中で、いろいろ苦境があって、吊り橋効果がめちゃめちゃ働いたとしても、その短い時間の中で(大事なことなので2回書きました)、自分の命を賭してまで守りたいと思えるほど、人を愛することなんてあるのでしょうか?笑

あまり美人とは言えないルックスと相まって、これまで恋をしたことがなかった地味で、特別優秀でもないからパイロットにはなれず整備士(この時点でパイロットの方が整備士より優秀であるという職業に対する差別も浮上してくる)に甘んじていた、しかしいつかは優秀な姉のようにパイロットになりたいと心の奥底では思っていた女の子(というにはちょっと年を食ってるかもしれない:暴)が、いきなりレジスタンス全体の命運を握るような重要なミッションに選ばれてしまって、思い上がった結果、なんか気持ちだけが先行して場面をかき回してるだけのイタイ女子になってしまってませんか?暴

そして身体も動かないくらいの全身打撲を負っているはずなのに、自分から上体を起こしてフィンにキスをした!!私、この瞬間、大爆笑こらえるのに必死でしたよ。今回の『最後のジェダイ』に出てくるどのギャグよりも笑えました。ええええーー!!って。笑

思うに、これも悪の結社であるディズニーからの指示でしょう。「劇中にアイラブユーと入れなさい」という無茶振りをされた、それ以外に考えられません。笑

少なくとも本作は新3部作の第2章にあたるので、当然意識しているのは『帝国の逆襲』です。だからこそ宣伝広告でも「ダークなテイスト」(実際には低レベルなジョークとギャグで限界まで暗いムードは緩和されている)と「衝撃の展開」(実際には小さめのドンデン返しをやりすぎで、映画全体でのインパクトを欠落させてしまっている)を押し出しているわけですが、あのキスシーンはレイア姫とハンソロの「I love you」「I know」に対するアンサーであるのは間違いないでしょう。たぶんそういう対になる要素を入れるということだけが既定路線で先に決まっていたのだと思います。だからこそ展開が無理矢理でも、最終決戦の直前にあのセリフを入れるしかなかった。短絡的な。

ちょっと『帝国の逆襲』を見返してみようかな。映画の大体同じ時間帯で同じようなことが起きているんじゃないかしら。ちょっとこのブログを書いている現時点では記憶が遠すぎて時系列を忘れてしまったので分かりませんが。

ちなみにLOVEの名を借りずともローズが捨て身でフィンを守る理由は作れたと思います。「フィン、あなたは希望よ。希望の火花なの。その火花を絶やしてはいけないわ」「ローズちがうよ!僕は逃げようとしていた。でも君が導いてくれた。希望は君だ」とかでいいでしょ。脊椎に損傷があるかもしれないレベルで怪我してるのに無理に上体を起こしてキスなんかしなくても、フィンの腕の中で気絶(または絶命)するだけで彼の気持ちを動かすには十分です。笑

フィンはいつローズを運んだ?

遂に現れたルークに対する、ファーストオーダー全火器集中砲火!大迫力!圧倒的な爆発!そして傷一つつかぬルーク!うおおー!そうだよね!フォーズ万歳!大満足!

そしたら横から「おい!怪我人だ!」とローズを運んできたフィン。

ええええーー!!?

フィンがいたのはキャノン砲の目の前、そこから炭鉱まで歩いて行ったんですよね?

瀕死の重傷を負った女性を担架に乗せて引いてくるだけで、あの距離は相当時間がかかりますよ。しかもフィン自身、つい先ほど推定時速百キロ越えのスキースピーダーで接触事故を起こしたばかりですよ。おかしいでしょ!笑

これのせいで私は、ルークよりもフィンすげええー!になっちゃったから。だってジェダイじゃない一般人が、あの爆発の中を生き抜いて、負傷兵を1名救助したんですよ。そういう物語のポイントをわからなくする演出は止めましょうよ。そこまではそれぞれのストーリーを並行に流して、それはそれで良かったけど、ここからはルークの独壇場だ!と思った矢先ですよ。困

炭鉱に逃げ道はない?

地図に載ってない自然の割れ目ね。はいはい。

じゃあ、それ以前に、炭鉱の中からスキースピーダーで出てきた通路について説明してくれ。笑

あと、決戦前に炭鉱の前の壕に構えていたレジスタンスはどこにいたのかしら。笑

炭鉱の「裏」じゃないと困るって話かしら。もう疲れてきました。笑

え?偽物だったの?

まさかのルークは自宅勤務でした!笑

それじゃあさっきの集中砲火を浴びても傷一つ負わなかったのは、ルークがフォースの力で完全なバリアを作ったからじゃなくて、幻だったからってこと?ええええーー!!?

私は、この作品に対して、みんなが不満に思ってる最大のポイントって本質的にはここだと思います。あまりここに意見が出ないとしたら、他にも突っ込みどころが多すぎて、しかも上映時間もここまでで120分を超えてて、もう正しい判断ができないくらいマヒしてるだけで。

私は半端なくがっかりしましたよ。新しいキャラがイケてないのはまだ未熟だから仕方ないってことかもしれんし、レイアは昔から大して優秀な指導者としての功績を上げているわけでもないから、まあ多少イケてなくても平気ですけど。ルークですよ。ルークスカイウオーカーだけは俺たちを裏切らないと信じていたのに、最後にあんなチープなトリックで全員を騙しにかけて、それで勝手に息絶えてしまうとか!もうやりきれない。涙

しかもあの爆撃の中を本当に生き延びたのは、瀕死の重傷を負った女性を担架に乗せて引いてきたフィン(自身もつい先ほど推定時速百キロ越えのスキースピーダーで接触事故を起こしたばかり)だったことになる。あの人ライトセイバーも使えるし、やっぱ本当のジェダイはこの人なんじゃね?笑

レイアの宇宙遊泳

絶句。笑

でもあれ単体でなら私は全然ゆるせるレベル。笑

 

まとめ

こんな感じで折角の良い映画が、いちいちディティールが気になって集中できない、ちょっと残念な出来でした。