『ローグ・ワン』感想(ネタバレあり)

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宇宙の映画を観たら私はブログを書くのかw

ネタバレ記事です。

 

とても良い映画だった。

今年一番衝撃を受けたのは『シン・ゴジラ』だが、

映画の品質ではこちらの方が上だった。

まあ予算が10倍以上違って、おそらく時間もかけているのだろうから

それは仕方が無い部分は大いにあるわけで、

私は映画とか芸術の意義は、衝撃こそ一番重要だと考えているので

そういう意味では今年の最重要作品は『シン・ゴジラ』になるけど、

良い映画だったのは間違いなく『ローグ・ワン』でした。

 

なんせ絵が格好良い。

構図にメリハリが効いていて迫力がある。

引きの絵になったときも、まあ自然が綺麗なこと。

序盤の冷たい大地も、中盤の砂漠も、終盤の南国も。

 

撮影の容易さが多分にあったとは思うのだけど

氷の世界か、岩肌しかなかった戦闘シーンで

あの南国の島国の感じはビジュアルが斬新で。

しかも戦闘シーンの激しさ、凄まじさたるや。

あー思い出した。これ『地獄の黙示録』で観た光景だわ。

 

というか前半の市街戦も中東ぽいし

クライマックスはベトナムだし

デススターの爆発は核爆発ぽさ全開だし

この英国人監督は本当攻めるのね。

2014年の『ゴジラ』でも水爆実験の映像表現とか

米国海軍のエライ人の台詞に「HIROSHIMA」とか攻めてた。

 

考えてみればあの『ゴジラ』があんなに脚本がクソでも

ゴジラが出てくる場面が不必要なまでに絞られていても

ゴジラが出てくる場面がいつも夜でそれも暗すぎて全く見えなくても

それでもあの『ゴジラ』を当時何回も観て

今でも時々観たくなってしまうのは

矢張り、この監督の絵作りの巧妙さであったり

1つ1つの場面の盛り上げ方や見せ方であったり

作品の主題に対する愛情や情熱なのだろう。

そういう映像のパワーを発揮出来る監督だよね。ギャレスエドワーズって。

 

JJエイブラムスは観たいヤツが来たぜヤッホーイ!って感じだけど

ギャレスエドワーズはもっとビジュアルが直接ガツン!と来る感じ。

ホノルル空港とチャイナタウンでのゴジラの咆哮はこの後何十年と生きて

私が死ぬときでも「今まで観た映画で印象的なシーンBEST10」とかに残ってると思う。

割と冗談抜きで。

 

なんか途中からゴジラの記事になっとるw

 

無数のオマージュ

閑話休題

スターウォーズ過去作品からの引用が多くて楽しかった。

モンスターチェスとか、デススターの操作盤とか、謎の日本兜風のヘルメットとか。

一番笑ったのは帝国軍施設によくある、あの4方向から閉まる扉。

あれ、どう考えても、明らかに無駄が多い構造でしょ。

でも第1作で出しちゃったから

当時としては異世界の感じを出すために

目新しい仕掛けの1つとして取り入れただけだと思うのだけど、

現在の作品で大真面目にやられても可笑しく見えちゃうよねー。

いや、褒めてますよ。

 

まさかの全員●●!

そして何より白眉だったのが、まさかの全員●●になるという展開!

(伏せ字にする意味あるのかw)

まあ、あらすじの時点で何となく「悲劇的」な結末は予想できたけど

「でも、とはいえ、1人か2人は●●から逃れて、とかなるんでしょw」

とかいう予想を完全に裏切って

物語の収束に徹する、その姿勢に男気を感じた。

御都合主義になりがちな所謂ハリウッド超大作には珍しい潔さ。

こういう「仕事に徹した」映画って好きだわー。